総合商社の光と闇

総合商社の光と闇を、実際に働いた経験から、限りなくリアルに紹介します

総合商社と花形部署の話

 

各社それぞれ花形部署というのは間違いなく存在します。

 

三菱 石炭系の資源部署 (三菱は収益基盤がバランス良いのでそこまで露骨じゃない)

三井 鉄鉱石、石油系の資源部署

住友 メディア、IT系

伊藤忠 繊維系

丸紅 電力系

 

花形部署は沢山儲かっているので、当然雰囲気も良く、出張などで使える予算も潤沢であることは事実です。

 

但し、新人で花形部署に配属されるのが良いのか?と問われるとそんなことはないよなあと個人的には思ってます。

 

理由は色々とありますが、まずはいわゆる裁量権がないことがあげられるかと。

儲かっている=案件が大きい=若手一人で回せる仕事じゃない=永遠の下積み

という構図。

 

自己成長に焦点を当てた時、果たして花形部署で働くのが良いのか、うーんという感じです。

 

テクノロジーの発展によって、不要な業務がAIに代替され、より専門性が各人に求められる時代に、5年も10年も下積みをしている場合なのかは考えていく必要あります。

総合商社が定年まで存続する前提で、社内キャリアパスだけを考えているのは相当危ういと思います。

 

後は、花形部署は案外保守的で、無駄なルールが多かったりします。

がっちりと儲けるためには、それなりに手堅く商売する必要があるので、ルールはルールだみたいな硬直的な組織になりがちです。 新人という立場で、そのような組織に所属する大変さは言うまでもないですよねー。

 

最後に、みんなが勘違いしていることですが、花形に配属される=優秀とか関係無いです。たかが数回の面接で仕事能力なんて測れないし、本人の希望と所属部署からのリクエストを見ながら配属は決定しているので。 まあ毎年結局花形部署に希望が殺到するという現実はあるみたいですが・・

 

END

 

総合商社と一般職の話

海外でネット環境最悪の場所にいたので、まったくブログ更新できませんでした・・

ようやく日本に帰国しましたので、再開します。

 

今回は、一般職の話を。

 

一般職と聞くと、お茶くみやコピーなんて想像しますが、そんなことこのご時世でさせているわけありません。 最近は、商社一般職が就活女子からめちゃめちゃ人気で(転勤もないし、年収は40歳で1千万いくし、楽だし、さいこー)、普通に総合職と変わらないハイスペックな人材で固められています。女子大もちらほらいたりしますが、親が〇〇企業の社長でーとか、顔がくっそ可愛いとか何かしら学歴や能力をカバーできるものを持ってると思います。どっかの商社では東大卒の一般職がいるとかなんとか・・・

 

一般職を真横で見ていた個人的な感想ですが、商社一般職めっちゃいいです!特に、結婚して家庭を持つことこそが幸せのゴールなんだみたいな女性にはたまらない職種です。転勤なんて確実にないし、社内ではちやほやされて、仕事の責任もほぼなし、それでいて普通に年収はメーカー総合職くらいですしね。

(一般職の中には、いやいや私たちも責任ある仕事してるし、とかなんとか言ってる人もいますが、もらっているお金に対して、どれだけ仕事が楽か・・と心でいつもイラつきます)

 

基本は9時~17時勤務で、終業後は友達とお茶したり、ヨガしたり、お料理教室いったりせっせと自分磨き。有給は年間ほぼフルで消化できるので、もらったボーナスで海外旅行~って感じですね。

仕事内容は、物流系なら社内のシステムにデータ入力とか、領収書(Invoiceといいますが)を作成したり、総合職がとってきた案件の実際のお金の流れ管理するって感じですね。投資部隊の一般職はぶっちゃけ何しているか謎です。暇そう・・

10年以内にはAIに代替されるような仕事内容を主にやってます。

 

基本的に、明るくて元気な子が多い。女は愛嬌なんて言いますが、愛嬌あるモテそうな女子は多いと思います。ただし、なぜか商社男子はちゃらいから無理~とかいって社内恋愛は案外少ない?

嘘つけ商社男子と結婚して、駐在妻やりてえのが本音だろとはいえず・・・笑

だいたい同期の中で一部合コン三昧みたいなグループがあって、そいつらはあほみたいに合コンして、ハイスペック彼氏探しに奮闘してますね。

 

まあそんなこんなで就活生で一般職志望がいれば、商社は絶対受けたほうがいいですよ。英語力とかそんなのはご心配なさらずに、人事は一般職の英語力見てないんで。

 

帰国したてで疲れているので、この辺りで。

 

END

 

 

 

 

 

 

総合商社とお酒の話

 

少し肩の力を抜いた話題に。

 

総合商社と聞いて、キーワードを10個上げると、確実にお酒が入ってきます。

この業界と、広告、テレビだけで日本の8割くらいお酒消費しているんじゃないかな。笑

 

まず、いつ、誰とお酒を飲んでいるのか。

イメージは、接待が多いからその場で飲まされるのかな、、と思うかもしれませんが、接待なんて毎日毎日やってないので、そこで飲む量なんてたかが知れています。

寧ろ、先輩、同期と飲む機会の方が多くて、且つ荒れがちです。お客さんとテキーラショットなんてあまりないですが、同期と飲むと大体テキーラショット死ぬほど飲んでいます。。 

よく分かりませんが、元々お酒好きな人が多いことと、商社マンになったからには飲めないと的な思想もあるのかな。。 昔は物流ゴリゴリで、その時代の接待はそれこそ毎日だった時もあった様なので、そういう文化が色濃く残っているのかもしれません。。 飲みニケーションとはよく言ったもので、社内の関係構築はお酒無しにははじまりませんね。 もちろん、お酒飲めない人に一気強要とか無いですが、飲めるのに飲まないと、ん?なんで?みたいにはなりがちです。笑 飲みサーだったから余裕っしょと思っていても、確実に会社入ってからの方が飲むと思います。

普通にチームで飲みにいってもコールとかしてますからね笑

 

あと、飲んでる時間ですが、これはもうくそ長い。

19時から飲んでも。終電で帰れるなんてことは稀。これは、接待でも同期でも先輩でもそうだと思います。 接待はお客さん帰ってから、先輩と二次会行くので。。

ただ、コーポレート系(経理、法務など)は全然そんなこと無いかもです。

やっぱり人もまったり、チームの雰囲気もまったりしていて、総合商社感はないかな。 元々、そういった人を配属しているのか、配属後に人が雰囲気に馴染んでいくのか、僕は絶対後者だと思います。 どんな組織でもある程度人間が組織に順応していくものですよね。

そういう意味では、お酒飲む部署配属になったら、飲んで吐いて肝臓鍛えられますよきっと。

 

おじさま達は日本酒好きなので、銘柄詳しいと好かれるかも。

若者はテキーラ的なパリピ酒が好き。お酒の銘柄はクラブで覚えてます。

 

ちなみに僕は学生時代お酒ほんと飲めなかったですが、会社入ってから肝臓強化されて結構飲める様になりました。昔はビール一杯でしんどいなという感じでしたが、今は今は4-5杯飲んで良い気持ちになるくらい。 

 

あと、最後に総合商社の都市伝説を。

入社前の健康診断で肝臓の値が良い(=お酒強い)一般職は、飲める部署に配属になるらしい。 まあ、んなことねえよと思いますが、割と有名な一説です。

 

次は、海外駐在について書こうかな。

 

END

 

 

 

 

 

 

総合商社と英語の話

 

総合商社で働くには英語力は必要か?

 

結論からいうと、必須です。 というか英語できないと総合商社では人権無いに等しいです。

 

じゃあ、具体的にどのくらいの英語力が必要になるのかというと、TOEIC730点以上がほぼ全ての企業の最低限求めるレベルです。

TOEICのスコアが無いと昇進できない、海外駐在いけません。

 

入社時点で6-7割くらいはTOEIC730点を既に取っている印象。体育会出身は英語できない人多いので苦労しています。それでも、3年目までに730点取っていない人なんてほぼ皆無です。皆必死に勉強して、スコアクリアします。

 

じゃあTOEICクリアしたた人権もらえるの?というと全くそんなことは無く、重要なのはアウトプットの質です。書いてる英語、話している英語が客先に出せるレベルなのか?がポイントです。TOEICなんてのは所詮テストなので、そんなに重要では無いんです。

 

で、どれくらいのレベルで英語のアウトプットができる必要があるのか?

これは、五大商社全てが既に導入している(はず?)、BULATSというテストで別途能力を測られます。 BULATSとは簡単にいうと、スピーキング、ライティングのテストで受験者のレベルがどれくらいにあるのかA1-C2の段階評価で測定します。

最も良いのがC2でこれは完全な外国人レベル。発音、語彙全てが自然で、構成も完璧なレベル。帰国子女は大体一つ下のC1レベルです。それでも、純ジャパが聞いたらネイティブと違いが分からないくらい流暢です。

 

この中のB2レベルが総合商社で求められるレベルです。これは、C1の一つ下で、文法や時性が時々おかしいものの、会話は普通に成り立つレベルだと思います。

協会公式の定義によるとB2は「自信を持って英語を話すことができる」らしいです。

半端ないざっくり感。笑

IELTS 5.5-6.0、TOEFL 72-94とequivalent の様です。

 

留学経験者とかは大体B2かな、C1取れる人は相当真面目に勉強してた留学生。

これが、留学経験無しの純ジャパにはけーーっこうハードル高いです。

英語を話せるだけじゃなくて、わりと自然に会話が成り立たないといけない。

このわりとがかなり難しいんです。 

だから、みんな専門の対策スクールや英会話学校に行ってます。

3年目になっても取れていない人は1-2割います。 

ちなみに、これまではスピーキングの話で、ライティングは比較的簡単です。

というか、貿易していれば毎日英文メール書くので慣れているので、さくっと受かります。 (案外、帰国子女はbroken Englishでライティングみたいなきっちりと文章書く能力に乏しく、B2クリアできない人もいます)

 

このBULATS B2をクリアしていないと海外出張に行かせないという上司も結構います。 入社時点では英語力低くてもいいので、入社したら必死に頑張りましょう。

英語ができないだけで成長の機会を失うのはもったいないです。

 

英語が全てではないですが、商社マンである以上英語は最低限のスキルです。

スポーツ選手の走り込みと同じ様に、日々継続して基礎体力をつけていくのが重要ですね。

 

具体的な勉強法は長くなるので別で書きます。

 

END

 

 

 

 

総合商社と雰囲気の話

 

正直言って、総合商社は居心地が良い場所ではなかったです。少なくとも僕にとっては。そんなの人によるだろとツッコミ入るかもしれませんが、僕の周りで総合商社が居心地良いというのはあまり聞いたことありません。会社は人で構成されているわけで、つまり居心地の良くない場所をみんなで作り出して、そこで毎日働いているんです。

大きな要因は二つあると思います。

 

① バブル体質が抜けない、華やかな生活

六本木を飲み歩いて、女の子とどんちゃん騒ぎ、接待費で美味しいものを食べて、借金をして高級車を買う、こんなバブル時代みたいなことが未だに総合商社では残っていたりします。昔は、物質に対する欲が非常に強い時代で、お金があれば物を買い、贅沢をし、そして心が満たされていたのだと思います。 

でも、今は違いますよね。物質欲、所有欲は消えつつあり、シェアリングエコノミー社会へとシフトしつつあるくらいです。それでも、総合商社の一員として華やかでいたい、いなければいけない、ある種世間のイメージとの乖離を恐れ、未だにこんなバブル期のような振る舞いをしています。 結果的に、お互いが華やかさを競い合う舞踏会のような雰囲気が一部に漂い、人間関係としては心から安心できる場所ではないと感じやすくなってるのではと思います。

自分らしく、自然体で肩の力を抜いて生きていくにはしんどい業界かもしれません。

 

② 皆が優秀、高学歴、そしてプライドが高い

ぶっちゃけ総合商社は、高学歴だらけで、その中でも優秀層が入社していたりします。社員は、それぞれのコミュニティでは何かしら突出した才能が有り、ちやほやされてきた人が多い訳です。そんな人達が同じ会社に沢山いると、承認欲を剥き出しにし、他人に批判的な雰囲気が生まれます。 自分は優秀なんだ、あいつはここが良く無いんだ、はっきりいってクソみたいな悪口や、噂を肴に飲んでる人が一部いました。そんなの雑音なので気にしていませんでしたが、雑音の数があまりにも多かったです。会社員なので、人間関係を完全に断ち切ることは難しく、こんな人達とも付き合わないといけないのがストレスでしたね。 スティーブ・ジョブズがどこかのスピーチで言っていましたが、"自分の人生を生きず、他人の人生を生きている"人が沢山いました。 お互いに批判的なコミュニティが居心地良い訳ないですよね。。。

 

体感に個人差はありますし、どこの会社だってそんなものかもしれません。これを仕方ないと感じて受け入れるのか、人生一度だからと自由を求めるのか、それも個人の自由だと思いますが、人生の多くを費やす仕事なので、楽しく、ワクワク働きたいですね。 場所、時間、人間関係に縛られない生活が夢です。

 

END

 

 

 

 

総合商社と採用の話 その2

 

具体的な面接での話し方について。

 

総合商社の面接で重要なのはスピーチをしないこと、考えて話している印象を与えること、です。

 

例えば、学生時代頑張ったことは何ですか?と聞かれ、

「私の頑張ったことは、アルバイトです。四年目にはバイトリーダーをしていて‥‥」

なんて話していたら聞く側はその話に大いなるサプライズがない限り、印象には残らずお見送り可能性が高くなります。

 

「学生時代に頑張ったことですか。色々やっていましたが、一番と言われると月並みですが、アルバイトです。同じ様な話を聞き飽きていますよね。笑 四年目の時にはバイトリーダーをしていて‥‥‥」

 

と話す方が印象的ですし、やはりスピーチされるよりもどこかで会話形式、インタラクティブな面接に持っていくことが重要です。一歩間違えれば馴れ馴れしいという印象も与えかねないですが、そこは少し緊張感を持った表情、トーンの練習をしましょう。 総合商社面接は、エピソードトーク単体では激戦になるので、普通のことを印象的に話す会話(i/o スピーチ)を心がけましょう。 勿論、世界5週しましたとか、弁護士資格もっています、等のホームラン打てるエピソードあればそれで勝負して下さい。笑 

 

あと、考えて話している印象を与える方法ですが、本質的な話の前後に散らばせる言葉選びが大切です。 上記回答でいうと、月並みですがという一言があるだけで、アルバイトは普通のことかもしれませんが、私なりに頑張ってきたことなんですという印象を与え、聞きたくなりますよね。更には、相手の感じるであろうことを先回りして言葉にしておくことで、こいつ分かってるな、と思ってもらえると思います。

例えば、「少し表面的で、就活生の模範回答の様に聞こえてしまうかもしれませんが、御社の理念の心から共感し‥‥」

と、死ぬほど嘘くさい、もはやほぼ確実に嘘の会社の理念に共感したという志望動機でさえ、まあ他の学生に比べたら本気で言っているんだろうなと印象をぐっと良くすることができますよね。

 

就活本やセミナーでは、結論から話せ、簡潔に述べろ、等と書いていますが、簡潔に結論から志望動機言われたって分かりませんし、嘘にしか聞こえません。

「志望動機は御社の理念に共感したからです。なぜなら‥‥」

もうこの時点で、面接官はうんざりです。 とにかく話し方を磨いていくことで、コミュ力重視の総合商社面接では通過率が上がります。

 

私自身、投資銀行も就活生時代に受けていましたが、投資銀行なんかは面接というよりも問題みたいなのが多くて、それなりに簡潔にロジカルに答える必要性は有りましたね。総合商社は、ケース面接とか、金融緩和についてどう思う?とかまあ無いので

話し方テクニックで乗り切れる部分は多いに有ります。  

この手の話は書きたいこと沢山有るので、今後もう少し深く書いていきます。

でも、ブログ趣旨の総合商社の実態とは無関係なので、暇な時に書きます。

 

総合商社と採用の話

 

OB訪問で聞かれることの90%は、みんな表現は違えど

どうやったら総合商社に入れるんですか?ということ。

 

これについて個人的見解を書きます。

 

総合商社に絶対に入れるスーパーな方法なんて勿論存在しませんが、確率を高めることは間違い無くできます。

 

まず、SPIの点数がとか、TOEICの点数がとかはクソだと思って下さい。 あれば越したことないですが、そんなあほみたいなことに評価基準は置いていません。 なぜなら、勉強できると仕事ができるは似て非なるものだということを面接官もよく知っているからです。そんなことなら英語できる人と東大生だけを取れば効率的ですよね。

ちなみに、学力を重視する度合いでいうと

三菱>住商>伊藤忠=丸紅>三井

だと思います。 人の三井はなるたけ会って話して判断しようというスタンス。

三菱は組織で働ける最低限の学力を求めていますね。

 

どうやったら総合商社に入る確率を高めれるか考える上で、採用側の考えを理解する必要があります。 大体、採用チームは毎年採用人数と採用テーマを決めて採用活動をしています。先ほどの話しでいうと、学力が高い人を取ろうなんてテーマになるわけがないですよね。笑 実際にあったのは、素直な人を(=吸収力のある人)とか、チャレンジ精神旺盛な人をとか超ざっくりしたものです。 で、それを面接官をする社員に共有して、あとは社員の感性に委ねることが殆どです。 テーマなんてほぼ意味を成していないので、結局は社員の感性かと。

 

で、どうやったら可能な限り多くの社員に◯をつけてもらえるかというと、

ずばり'話し方'だと思います。

 

面接を通して、人生、仕事に対する価値観を聞きながら一緒に働きたいかなと面接官は考えるわけですが、考え方、価値観はやっぱり人それぞれです。 全員にぴったりハマるなんてことはまず無理です。 そんな時、俺とは考え方が違う方けど優秀だな、儲けてきそうだなと思わせるのは話し方です。就活本にはハキハキと話すとか、明るく元気な表情でとか書いていますが、あんなの実践すればするほどthe 就活生になって、面接官は鬱陶しくなります。 総合商社で働いている社員は、客先からの理不尽な要求や、意味不明な政府との折衝を幾度となく経験しています。そんな話が通じない相手に重要なのは良くも悪くも話し方だと知っているので、話し方が他人に威圧感を与えないことや、人を引き寄せるトーンで話すこと等を重要視しています。

 

具体的な内容は次回書きます。 ここではざっくり概要を。

就活本、セミナーはうーんという内容が多いので、個人的には無料でこういったブログ検索した方が有益だと思います。

 

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